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サボタージュなんて暇はない
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学校も終わり、俺と水月は家へ――ではなく、今は別府駅近くの某ファミレスにいる。
ちなみに某ファミレスとは、大分県に本社を持つ、黄色い看板のあのファミレスである。
そこで俺たちはアルバイトをしている。俺は厨房担当で、今せっせとキャベツを千切りしている所だ――そして・・・・
「いらっしゃいませー、3名様ですか?」
水月はフロア担当で愛想良く笑顔を振りまいている。
シフトは夕方4時から夜9時まで。当然晩御飯時なので、サボタージュをする暇は当たり前のようにない。
そうやっていると、入店を知らせる電子音が鳴った。
ふと時計を見る。時間はすでに6時を少しまわっている――この時間に来店するのは・・・・
「いらっしゃいませー・・・・あ、やっぱり五十嵐先輩ですか」
「やっぱりって言うなよ・・・・夕日は?」
「お兄ちゃんはいつも通り調理担当ですよ」
入り口の方から水月と五十嵐の声が聞こえる。やはり――と俺は思った。
五十嵐は毎日、ほぼ同じ時間にここに来る。そして注文する物も――
「きょうもとり天定食でいいですか?」
「ああ、お願い」
来るたびあいつはとり天定食しか選ばない――ちなみにとり天とは鶏の天ぷら(から揚げではない)を天つゆにつけて食べるという大分の家庭の味とも言える物である。某ファミレスのメニューにもあるので、ぜひ食べてみることをお勧めする――
それを聞きながら俺はキャベツを切り続ける。
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そんなこんなでとり天定食を食べ、五十嵐も帰った。
そして9時半、やっと俺たちは帰宅の途についた。
今日は満月、高い空に赤く染まった月が浮かんでいる。
少し、感傷に浸りながら、坂の多い別府の街を、自転車で縫うように家へと帰る。
唯一、俺が安らぎを得られる場所へ――