新着連載一覧 (過去7日分)
今何故か、私は公園で再会した漆黒の瞳を持つ彼と、肩を仲良く並べ新居までの道のりを歩いている。 どうして見ず知らずの、いや、見ず知らずではないけれど、そんな数回会ったばかりの男性と?と思うかも知れない。 でもあの後、私は彼の思いがけない優しさと、真っ直ぐな人柄を知り、この漆黒の彼に好感を抱いたからだった――。 「もしかして、俺のことやばいヤツだと思ってる?大丈夫だよ、彼女はいな・・・
6章 「おっさん。結局僕はあんたとの約束を守れなかったよ」 日曜日、僕はある交差点でぼそりと呟いた。周りに人がいないことはすでに確認している。不審に思われることはないはずだ。 ここは、黒コートの妹が交通事故で亡くなった場所だ。そして僕が黒コートを殺した場所でもある。 ……殺した、か。 人の命は重い。それと同じように、悪魔の命だって重い。さらに言えば、野良犬の命も。 ・・・
「なにソレ、ドジっ子アピール?」 「そんな地味なのよりさ、大和(ヤマト)くんがシャワー浴びてるときにお風呂場のドア開けてみたりとかしたら」 「あのさ、わたしが間違ってたら指摘してもらいたいんだけどさあ……ノロケ、うざし」 「いーなあ。おいしいよね、『ブルーム』のケーキ。あたしも食べたーい」 「そんなんどーでもいいからさ、恭介(キョウスケ)くんの友だち紹介してくれるって話どーなった?」 ・・・
[*image_tcVHGQuX.jpg] いらない子、いらない子……。 私、いらないの? 生まれてきたらダメだったの!? もう、生きていた……くない。 私には双子の弟がいた。 その弟は生まれた時にへその緒が首に絡んでいてそのせいで亡くなったと聞いた。 ひょっとしたら弟はこの家で生きていくことを最初から拒んだのかも知れないし、この家が抱えていた物を察知したのかも知れない。・・・
明るく軽快な音楽が始まった。 客席が驚愕でどよめく。 長身で美男美女。 十代で組んだ時から成熟した雰囲気を漂わせ、「卓越した技術」と「情感豊かな演技力」を兼ね備えている、と言われ続けたカップルはエキシビションに「Tea for two」を選んだ。 「ダンスというのは二人でするものなんですっ! 飛んだり跳ねたり、軽業をやりたいんならシングルに戻りなさいっ!!」 リンクサイ・・・
私が「とらドラ!」に惹かれたのは、おそらく後半ですね。だから好きになったのだと思います。 子供を顧みない両親の下で育った大河の、その屈折した素直になれない脆い心に、私は投影していたのだと思います。ラブコメの部分は純粋にエンターティメントとして楽しめました。 家庭問題や進路といった問題は、結構心に来ました。家庭を顧みない両親は、自分の親とも似ていました。ただ、女関係にいい加減な父親ではなか・・・
確かに、有朋は何よりもまず奇兵隊の軍監だ。今の日本国に居場所を求めるとすれば、兵部省が最もふさわしい場所である事は間違いがない。今回の洋行も、目的は列強の兵制視察だ。奇兵隊をはじめとする長州諸隊を始め、多くの藩士や有志が、戊辰の戦を戦った。だが、帝を奉戴し、同じ錦旗(きんき)の下で戦ったとはいえ、戊辰の戦の「官軍」は、各藩の軍の寄せ集めでしかなかった。有朋は参謀の一人として主に東北にあったが、「・・・
子は親と関係がある。 しかし親だけが唯一の関係でない。 子は親から全く自由でない。 しかし子には自由がある。 親子の間には溝がある。 溝が無ければ同一人物である。 他人から、否応なく人を引き離し、自由にする溝の名前、“私”。 存在の残りカス。 自由な“私”がなければ、どうして人は、他人を、そして自分を、認識し、記述し、物語ることができるのだろう。 現実が容赦な・・・
体全身から雨に打たれた後のように汗があふれ出る。 洞窟の暗闇の中を走って、走って、走りぬいた。背後から地獄の底から響いてくるような足音が僕を捉えようとして迫ってくる。 僕は振り返らずに走った。 ふらついた足が足元の石に躓いて僕は顔面から地に伏した。 手足や額を擦りむき、息は切れはて、僕はもう立ち上がることが出来なかった。 背後を振り向くと、僕を追いかけていたはずの化け物は姿もなく消えてい・・・
木曜日が決戦だった。 論文の翻訳は出来上がっていた。 コンテキストにした冊子や資料は大量の付箋が張り付けられて、単語の背景などがミッシリ書き込まれていた。 畑中純一は火曜日までほとんど一睡もしないままに論文本体を読み下し、五日間の貫徹の成果として論文の和訳は完成していた。 論文は「レーザー光の立体制御照射による有機化合物の生成促進手法」という表題だった。 基本的にブラウン運動・・・
むかしむかしあるところにおじいさんとおばあさんが住んでおりました。 おじいさんはパチ屋におばあさんは研究にいきました。 おじいさんがパチで大負けして帰る途中ある男の子を拾いました。 その男の子は母親と思われる女の人に抱えられて桃のバッチを握り締めていました。 家に帰っておばあさんと話し合ってその男の子には桃太郎とつけることにしました。 これはそんなお話です。 それから何年かして桃太・・・
























