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北の大国──トゥヴェリ帝国。
その最北端の街、セーヴェル。
一年の約半分は雪に覆われる土地ながらも、目前に大きく開けた鏡湖を主軸とした
水運と漁業、観光によって辺境とは思えぬほど潤う小さな真珠の如き街。
それが、彼──ヴェルヌーツァの故郷だった。
灰銀(グレイ・シルバー)の髪に菫色の瞳という、
何処から見ても紛うことの無い、トゥ・・・

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北の大国──トゥヴェリ帝国。
その第三の都市、ヴァストークが彼の故郷だった。
帝国東部の肥沃な黒土地帯に拓けた街で、古くから小麦の栽培が盛んな土地であり、
彼の家も街の貴族や、騎士階級の家の大部分と同じように、多くの小作人を抱えていた。
彼の家は、軍務を与る武家だった。
先のシノイキス侵攻の際、一騎当千の目覚しい活躍をして、
時の皇・・・

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北の大国──トゥヴェリ帝国。
その帝都、リンフォルツァンドは鏡湖の畔に在る。
夏は豊かな緑に覆われ、冬は一面の銀世界になる、まるでかの国を端的に表したような
都市だった。人口は数百万にも及び、街は昼夜を問わず活気づいている。
そして、帝国の政治的中枢であるラードゥガ宮殿は、街の喧騒を見下ろす丘の上──
ヴァントーズ地方最大の湖、鏡湖を・・・

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