逆手に振り抜いたトンファーは、闇の中になめらかな青い光の弧を描いた。伝導トンファーが奴の霊体にめり込む感触が右腕に伝わる。標的は狙い通り鉄骨の浮き出した壁面まで吹き飛んでいる。右に開いた腰が正対する戻りにあわせて、左手で肩の呪符ダーツを引き抜きざまに投じた。チェックメイト。目標は壁に縫いつけられ身動きできなくなった。
トンファーのグリップを分解しホルダーにしまう。ICレコーダーを起動しなが・・・

コメント数 2
目を覚ますと、つけっぱなしのテレビには特撮番組が映っていた。ケーブルテレビの「なつかしチャンネル」だっけ? ソファに寝転がったまま、ぼんやりと見る。クモの姿をした怪人がビルに糸を吐きつけている。懐かしいな、ドクロ頭の正義の味方が悪い奴をやっつけるシリーズだ。最近は夜の仕事をすると、昼に体がもたなくなってきた。年はとりたくないもんだ。あいつ、背中にコウモリのはねつけてるから、クモーモリだな。記念す・・・

コメント数 8
今日の私は調子がよいみたいだ。街を行き交う人の表情がはっきりと見える。お買い物かな、いいな、腕を組んで楽しそう、あの二人。
なぜだろう。今日は遠くまでよく見える。手足にも力が入る。いつもはもっとこう、なにか体が細かいものに分かれてしまったみたいでまとまりがない感じのに。まるで体がバラバラになったみたいに。そう、両手は、手首と、ヒジと、肩で切り離され、首と胴も別の物、私の眼は頭から離れてそれを・・・

コメント数 7